ピックルボールのマナー

ピックルボールのマナー

次回のお誘いに パドルタップ
私がピックルボールを始めることになった、最大の要因は、体験会でベテランの方が、「ぜひぜひ、次もお越しください」と、快く誘ってくださったことでした。
またゲーム形式後にパドルのグリップ側での、ご挨拶(パドルタップ)というのも、とても新鮮でした。私の通っていたテニスのスクールでは、常に絶対握手をするなんてこと、なかったですから。
ピックルボールのマナー、エチケット、いわゆる「暗黙のルール」(Unspoken Rules)と呼ばれるものを調べてみました。
厳選「暗黙のルール」
USAピックルボール協会や、プロツアー団体PPAの掲げるものの中で、印象に残ったものをピックアップしました。実は米国のサイトには、数多の暗黙ルールや、その頻繁な議論について、たくさん列挙されています。
特に「社会問題」とまで言われる、コートの取り合いに関するものが多いのですが、そこは割愛しますね。
すべての選手、スタッフ、観客に対して礼儀正しく敬意を持って接する

プレー中に相手を威嚇するような過度なアピールをしない。観客もヤジを飛ばさない。運営や仲間に協力するといったものでしょうか。まあ考えればわかる、当然の「常識」ですね。
安全を最優先にする

隣のコートからボールが入ってきたら、相手を見ずに返すようなことはせず、なるべくやさしく手で投げるなどして返す。特にパドルで強く打たない。
誰かのコートを通る時は、プレーに配慮して素早く移動。
ボールが飛んできてることや、足元に落ちているのを察したら「ケア」「ボール」などの声がけをする。
これもテニス、卓球にもある、コートスポーツの当たり前ですね。
独特な? 相手に優しい「暗黙のルール」
ここからは、個人的に「へぇ~、さすがコミュニケーションスポーツ」と思った類の「エチケット」です。
ラインコールを行うときは、スポーツマンシップを実践する

いわゆるセルフジャッジなので、当たり前とも言えますが、以下USAピックルボール協会がしているこの項目の詳細です。
相手側に落ちたボールのジャッジを行う相手側の主張はすべて尊重してください
自分のショットがアウトだとわかったら、アウトと宣言してください
相手のコールに疑問がある場合は、敬意を持って質問し、議論しないでください
相手にラインコールを委ねる場合は、丁寧にコールを受け入れてください
ボールがはっきりアウトであると確信できる場合を除いて、ボールを「アウト」とコールしないでください
パートナーが間違ったジャッジをした場合は、すぐに訂正してください
あらゆる不確実性を、相手に有利になるように解決します
※USAピックルボール協会より引用(一部抜粋)
翻訳にニュアンスの違いがあったら、申し訳ないのですが、いくらクリーンなセルフジャッジとはいえ、「結構厳しい」と感じるのは私だけでしょうか? もう確信がなかったら、相手のポイント。相手は絶対に意図的な不正はしない、という考えですね。
プロでも同じ精神で
なおプロツアー団体PPAも、同じ項目について、こう記しています。
ラインコールは正直かつ公平に。確信が持てない場合は、相手に有利な判断を下し、僅差であっても、相手を優先する十分に寛大な態度を取りましょう。
そして素敵なことに、寛大な心を与えれば、それは自分に返ってくる可能性が高い。ただ黙って見守ってください。もしあなたが敵側に甘んじてしまえば、敵もあなたを困らせる場面を何度か与えるでしょう。
もし、間違ったコールを継続的に、またはひどく繰り返すプレーヤーに遭遇した場合、最善のアプローチは、そのまま放っておくことかもしれません。長期的に見て、それは本当に重要なことでしょうか? おそらく違います。そして、それについて議論する価値はまったくありません。
※PPAより引用(一部抜粋)
相手のジャッジにケチをつけても何の得もない。
はっきりと、ほおっておけ(the best approach might be to just let it go)と記されています。
レット・イット・ゴー(ありのままで)精神。実に、かっこよくないですか!
また相手が自らのジャッジに確信を持てずにいていたら、こちらから相手に譲るよう、声がけすることも記しています。
「大丈夫、入ってるよ!」(It’s in, don’t worry about it)。この精神も私は気に入ってます。
自己申告はノンボレーゾーンでも
相手に指摘されることを、極力なくす意味なのでしょう。「自己申告」はノンボレーゾーン(キッチン)でも、積極的に行うよう推奨されています。
フォルトが発生したらすぐに自分またはパートナーにフォルトを宣告する

きれいにショットが決まった後、もしノンボレーゾーンに踏み入れてしまったりしたら。フォルトを速やかに自ら申し出る、ということですね。これはやっちゃうかも。私も気をつけようと思います。またネットインしたら軽くでいいので謝りましょう。
色んな人に親切に
もう一つ。いろんな人とプレーできる、ピックルボールの楽しみ方、醍醐味につながる、最も大切な「格言」めいたものがありました。
他のプレイヤーに親切にする

USAピックルボール協会のスポーツマンシップガイドに「be kind to other players」と明記されています。以下、かなり具体的な内容にまで踏み込んでいます。
・弱いプレーヤーに過度に打撃を与えないようにしてください。
・相手プレーヤーにボールを直接ぶつけないでください。
・身なりを整えたり、控えめにしたりするよう気をつけましょう。
・時にはスキルの低いプレーヤーとプレーする意欲を持ちましょう。
・より熟練したプレーヤーと一緒にプレーすることを求めすぎないでください。一緒にプレーしたい場合は丁寧にお願いしてください。※USAピックルボール協会より引用(一部抜粋)
ダブルスの場合「弱い方を集中的に狙うのはよくない」と、はっきり記されています。複数でやるスポーツにしては、珍しいですよね。
またベテランが相手にアドバイスを求められていないのに、自ら積極的に、「あーだ、こーだ」いうのもよくない、ありました。
どのスポーツでも見かけられる、「あるある」と思いますが、多くの世代でプレーできる競技であるからこそ、はっきり「線引き」されているようですね。
プロでもこういう考えでいる
最後に、再びPPAがうたっている「暗黙のルール」を借りたいと思います。
初心者がいるのを見かけたら、その人にボールを強打しない方がよいでしょう。あまり速く動かない人がいるのを見かけたら、ロブの練習はしない方がよいでしょう。
ただ、意識するようにしてください。最も熟練したプレーヤーでさえ、初心者相手でも自分のプレーを磨くことができるということを忘れないでください。あなたが経験豊富なプレーヤーの一人なら、ディンクとドロップの練習に時間をかけましょう。フォアハンド ドライブは別の機会に取っておくといいかもしれません。
※PPAより引用(一部抜粋)
大好き! ピックルボール精神
私が気持ちよくピックルボールをスタートできた理由がわかりました。
「素敵な精神の詰め合わせこそ」ピックルボール人気急上昇の秘密だと、私は思うのです。
みんな最初は初心者ですから、ね。
とはいえ、この精神に甘えすぎず、上級者の人に、あまり気を遣わせすぎないようにもしたい、ものです。

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