サーブはオープンかクローズドか

サーブはオープンかクローズドか

あなたはサーブを打つ際、どのようなスタンスからスタートしますか?
オープン、それともクローズドに構えますか?

サーブのスタンスの種類
サーブに入るまでのボールを突くといったルーティンも大事ですが、スタンスも、サーブ成功のカギになると言われます。どのような種類があるのか見てみましょう。
オープンスタンス
足と腰をベースラインに並行になるように構え、体幹を使って右足に体重を乗せた、いわゆる「パワーポジション」の体勢からスイングを開始し、イッキにボールを打ち出します。タイソン ・マクガフィン選手は、このタイプです。
利点=ボールの下にパドルを入れやすく、回転がかかりやすくなるそうです。
クローズドスタンス
オープンと違ってベースラインに足と腰が垂直になるように構えます。滑らかに後ろ足から前足に体重移動してボールを打ち出します。デケル・バー選手は、このタイプです。
利点=スピード、パワーが出しやすい
セミオープンスタンス
オープンとクローズドの間で、ベースラインに対して45度ほどの角度をつけた状態で構えます。必要に応じてスピンの回転量をあげたり、フラット気味に打ったりと、応用が効きます。
利点=オープンとクローズドの両方のメリット、スピンとスピード&パワーの両方を兼ね備えたサーブを目指します。
プロのサーブは?
7年前と少々古いですが、プロのスローモーション動画です。
タイソン ・マクガフィン選手、ベン・ジョンズ選手、マルチン・ロズペドスキー選手のトップ3人サーブが見られます。
マクガフィン選手は今や完全にオープンですが、当時はセミオープン気味です。
▶「PrimeTime Pickleball」動画より
ベン・ジョンズ選手はクローズですが、1年前の以下の動画ではオープンで打っています。
▶「PPA Tour」動画より
そして最近の動画です。ベン・ジョンズ選手が、またクローズドに戻していることが分かります。
▶「PPA Tour」動画より
ルール改正の影響
実は2024年、PPAでは新しいサーブのルールが暫定的に導入されました。
①ボールはパドルを持たない手でリリースされなければならない
②リリース時にボールに回転を与えてはならない
③ボールは腰の上端より下向きにリリースされなければならない
というものです。トスした時、ボールに強烈な回転をかけて打つと、不規則な回転を生み出すことができましたが、主に、これを禁ずるためのものだったようです。
しかし、ボールを上にあげられず「腰の高さから自然に落とす」となると、スイングまでに時間がかかると、どうしても打点は下がり気味になります。
これを防ぎ、少しでも腰の高さより下というルールのギリギリのところで打つために、オープンを採用する選手が増えたようです。しかし、ベン・ジョンズ選手の場合は、しっくり来なかったのかもしれませんね。

実は多いクローズド
今回、実際に、男女の最新ランクのトップ10を調べてみました。何人か両方を使い分けている選手もいましたが、女子は圧倒的にクローズドが多かったです。
ヘイデン・パトリキンを除く、19~22歳の若手男子で、オープン派が多数を占めているぐらいの傾向しか見当たりませんでした。
男子ダブルス トップ10のサービスのスタンス | ||||||||
順 | 選手名 | 年齢 | スタンス | |||||
1 | Federico Staksrud | 29 | クローズド | |||||
2 | Ben Johns | 26 | クローズド | |||||
3 | Hayden Patriquin | 19 | クローズド | |||||
4 | Andrei Daescu | 37 | オープン | |||||
5 | Collin Johns | 31 | クローズド | |||||
6 | JW Johnson | 22 | オープン | |||||
6 | Gabriel Tardio | 19 | オープン | |||||
8 | Christian Alshon | 24 | クローズド | |||||
9 | Dylan Frazier | 23 | オープン | |||||
10 | Dekel Bar | 32 | クローズド |
女子ダブルス トップ10のサービスのスタンス | ||||||||
順 | 選手名 | 年齢 | スタンス | |||||
1 | Anna Leigh Waters | 18 | クローズド | |||||
2 | Catherine Parenteau | 30 | クローズド | |||||
3 | Rachel Rohrabacher | 27 | オープン | |||||
4 | Anna Bright | 25 | クローズド | |||||
5 | Tyra Hurricane Black | 24 | クローズド | |||||
6 | Jorja Johnson | 18 | クローズド | |||||
7 | Allyce Jones | 37 | クローズド | |||||
8 | Parris Todd | 26 | クローズド | |||||
9 | Lacy Schneemann | 28 | クローズド | |||||
10 | Jackie Kawamoto | 28 | クローズド |
私「ピックル坊や」はピックルボールを始めた当初は、クローズドでサーブを打っていました。ですが、のちに、こんな話を聞きました。
「どちらでも打てるのであれば、オープンの方がスピンもかけやすから、オープンの方がいいんじゃない。プロの世界でも今やオープンが主流になりつつあるから」。
そのアドバイスを受けて、今はオープンで打っていましたが、実際は、そう言い切れるほどでもないようですね。
結論 どちらでもいい
個人的には、確かにオープンで打った方がスピンはかけやすいですが、スライス気味のサーブを打つ時に、フォームで完全に読まれてしまうマイナス面が気になります。
一方でクローズドで打った方が、力みも消えますし、スピード、精度とも上がるような気がしています。
誰にでも、ほぼ平等なピックルボールではありますが、さすがにサーブの場合は、パワーの差や体格差も、多少なりとも出てきます。
どちらが絶対いい、絶対ダメではなく、自然と打ちやすい方を選ぶのが「正解」のような気がします。テニスのサーブの際の、後ろ足を寄せるか、寄せないかの「議論」に、どこか近いものを感じますね。
では、最後にもう1度、聞かせてください(笑)
あなたのサーブは、オープン派ですか? それともクローズド派ですか? それとも気にしない派ですか?