元メジャーリーガーの転身

元メジャーリーガーの転身

JOOLAと独占契約
「異スポーツ界からピックルボール界へ」といえば、プロテニス選手の転向が目立っていましたが、先月、これまでとは違う衝撃的なニュースが報じられました。ベースボールから、しかも超大物現役メジャーリーガーの、スペシャル転身です。
最強打者の称号「シルバースラッガー賞」を3度獲得、オールスターゲーム選出6度。レッドソックスを世界一に導いた、J.D.マルティネス外野手が、2月3日、ピックルボールの超大手ブランド「JOOLA」(ヨーラ)と独占契約を結んだというのです。
年俸17億円 現役バリバリ
MLB(メジャーリーグ)をご存じない方も多いと思うので、その経歴を紹介しましょう。
1987年8月21日、米国フロリダ州生まれの37歳。アストロズで2011年にメジャー初昇格し、2014年タイガースに移籍後に覚醒。2015年には38本塁打。2017年シーズン途中にダイヤモンドバックスに移籍。9月にはMLB史上18人目となる1試合4本塁打。この年のシーズン45本塁打。
2018年にはレッドソックスと大型契約。いきなり3冠王に迫る活躍を見せ43本塁打、打率3割3分、130打点。初のタイトル、打点王を獲得。同年、チームをワールドチャンピオンへと導く立役者となった。2022年まで同チームの中心選手として活躍。
▶「MLB」公式動画より 2018年の43本塁打ダイジェスト
2023年はドジャースでDHを務め、打率2割7分、33本塁打、103打点をマーク。チームは、この年オフに大谷翔平投手(30)を迎え入れました。マルティネスは、その大谷と入れ替わる形で、メッツに移籍。2024年は120試合に出場して打率2割3分5厘、16本塁打、69打点の成績。同年の年俸は1200万ドル(約17億6000万円)という、現役バリバリのメジャーリーガーです。
自宅に専用コート設置
「JOOLA」の公式ホームページには、マルティネスがピックルボールにハマるまでの経緯も明かされています。元々卓球が大好きで自称「卓球中毒者」というマルティネスは、ある日、近所の友人に、ピックルボールのプレーを誘われました。
マルティネスは、すぐに競争心に火が着き、ピックルボールにのめり込んだそうです。それからまもなくして、コートが空くのを待つのが億劫になり、自宅にピックルボール専用コートをつくってしまったとのこと。この「逸話」からも、その本気度が伝わってきますね。
JDマルチネスのインスタグラムより
トレーニングする動画も公開
ピックルボールにハマった理由として、マルティネスは「あらゆる年齢の人が平等にプレーして競争できること。すべてはスキル次第です」と語っています。
さらに「プレーするためにコートに足を踏み入れるたびに、ゲームの別の側面を発見したような気がして、どんどん引き込まれていきます。競争的な側面が私を夢中にさせているのです」と、熱い思いを隠しません。
今後、大会出場も
すでに「JOOLA」の契約プロ、エリック ・ホワイト氏の指導を受けながら、ピックルボールのトレーニングに励んでいるそうです。
用具提供のほか、今後、大会出場の支援なども受けていく包括的な契約だそうです。
▶「Franklin Sports」公式より
「JOOLA」と契約する前、Franklinでピックルボール愛を語っています。どういうプレーをするのか、垣間見られます。
また動画の最後には「膝の手術明けで装具をつけていて、ほとんど動けなかった男性に完敗、そこから謙虚になることを学んだ」とのエピソードも話しています。決してパワーや動きだけではない、「ピックルボール本質」に気づいているのですね。
MLBでは、FA(フリーエージェント)の権利を持っているため、契約を釣り上げるためのパフォーマンスの可能性も若干捨てきれないとはいえ、将来安泰の高年俸メジャーリーガーをも、本気にさせたピックルボール。米国スポーツ界での、その地位の躍進ぶりも伝わってきます。硬球を強く遠くへ飛ばす能力が、果たしてピックルボールにどのように生きるのか? 注目ですね。
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